雪を染めて。

また紙の話になります。
少し前に、雪の場面が多いお仕事をしました。
雪、、、となると白。だからと言って、染めてないただの白い和紙ばかりを使っていては何の変化もないし、表現出来ない。
では、少し色味のある薄い色を使おう。グレー?ブルーグレー?あまり彩度を下げると汚くなるし、彩度を上げたブルーーの淡い色かな!という方向で制作開始!さて、問題は紙。あまりフラットに均一に染まった紙ではダメだ。どうしよう。。悩んだ末に制作に使ったのが、以前購入した厚手の紙で、吸い込みがイマイチでとても使い勝手が悪くて敬遠していた紙。この紙の裏の色の染み込み具合が、雪のフワフワした感じにイメージするのです。これだ! これに決めてからたくさん染めて、その中からピックアップしてそれぞれの場面に変化が出るようにチョイスしていきました。
色ムラを敢えて使うわけだけれど、色ムラが汚く見えてしまうものは没。その辺りの見極めが難しい。ホントに。
なかなか思うように色も出ないし焦ります。いつも。
染めの作業は紙との対話。でも、そこでとことん納得のいくまで(時間との闘いでもありますが…)やらないと最終的に良い出来にはならないのです。
紙は深いなぁ。
色って果てしないなぁ。

探求はまだまだつづく。